せいせいかつ日記

大きな声では言えないような話をします。

ラブホ街の夜 ⑥

腰にスカートがまとわりついたままではあるが、四つん這いというのは恥ずかしいところを見事に晒す姿勢である。
何かされなくともこの体勢になるだけで羞恥で体が熱くなる。
私が恐る恐る腰を浮かしていると
もっとちゃんと上げて、
と容赦ない言葉を放たれ、太ももを掴まれた。
すると数秒観察するような素振りがあり、その後中に指を入れられた。
これ恥ずかしい…と私が訴えるのに
ふーん
とだけ答えて指で奥をつついた。
こいつのSなところが全部出てるわ。


中はもう先の前戯で仕上がっていて拒むものなど何もない。
差し込まれるものをぬるっと飲み込み、いやらしい音を響かせた。
すると彼がおもむろに顔を近づけ、先程まで指を入れていたところに口づけた。
そして舌でちろちろっと舐める。
性的な行為はさほどご無沙汰ではないのだがこれは久々だった。
温かくてぬるぬるしていて気持ちがいい。
指でされるのとはまた違う快感だ。
しかし彼はすぐにまた指に切り替えて行為を続けた。


最近はさほど感じていなかった自分の性器に対するコンプレックスをここで再認識した。
そもそも劣等感が酷いので人にこれを頼むことは今までほとんどなかった。
こんなものを晒して不快にさせるだろうという申し訳なさが勝ってしまうからである。
このときも
きっと何か不快感を与えたのだろうというどうしようもない羞恥に駆られたのであった。


彼は特に言葉を発することもないが、作業的とも感じないような距離感で私に触れていた。
気持ちが読めない。
いやな思いをしていないだろうか。
不安になって目線を必死に彼の方に送っていると、向こうから近づいてきてキスをしてくれた。
それからしばらく指で溶かされ、息も絶え絶えになった頃
彼は満足したのか指を引き抜いた。
見てこれ、どろっどろ
と私にふやけた指を見せつけ不敵に笑ったのだった。


それから交代!と言ってベッドに四肢を投げ出した。
攻め一手かと思っていたのでこのように体を委ねてきたことにまず驚いたが、
私もなにかしたいと思っていたのでちょうど良かった。
とりあえず欲のままに彼の引き締まった体に触れる。
やっぱり筋肉質なほうが断然テンション上がるな!
感心しながらぺたぺた触るのを彼は顔色も変えずにただ眺めていた。
体にキスをしてみると、小さく息を飲むのを感じた。
不感ではないらしい。
首筋などに唇を這わせると少し体を震わせるが、耳に口を近づけると
ふふっと笑っていた。
くすぐったいらしい。
乳首に触ると微かに声を漏らした。
しかしまだツボにははまっていないのか、
終始良いのか悪いのか分からない反応をしていた。
彼に、気持ちいい?などと質問をしてみたりもするが、
そもそも彼が言う
ああ、気持ちいいよ
ほど胡散臭いものもなくて、どうにも身が入らない。
ここで痺れを切らし、ズボンの膨らみを手でそっと撫で、
咥えていい?
と聞くと
言い方、笑
と笑われてしまった。
ムードを作るのって難しいね〜。


私がカチャカチャベルトを外したり、ズボンとパンツを脚から引き抜いたりするのを
彼はただじっと見ていた。
何を思ってるんだろう。
取り出した彼のものはさっき触ったときよりは硬度が落ちている気がした。
大きさは平均的。
カリもそんなに大きくないし、反りもない。
正直なにか感想を言った気がするが、全然覚えていない。


裏筋を舐め上げ、口に丸ごと含む。
そのままゆるゆる舐めていると硬度は戻ってきた。
しかしあまり大層な反応はない。
というかそんなに良さそうでもない。
いろいろ試してはみるが、期待するような反応はなかった。
私下手説あるなこれ。
すると彼がいきなり立ち上がって、私の顔の前に股間を向ける。
はい、これで咥えて、
という指示の通り、膝をついてぷらりとぶら下がったそれを咥えた。
一生懸命しゃぶってると、
頭を押さえつけられ喉の奥にぐっと差し込まれた。
あー、これが一番気持ちいい、
と言いながら私の頭と自身の腰を使ってゆるゆると律動を生み出す。


どっかで聞いたことある台詞。
デジャブが過ぎる。


それから少しして、
そろそろ入れたいな、
と言うので了承した。
彼は灯りをもう一段階暗くして、備え付けのものになど目もくれず自分の鞄からコンドームを取り出した。
なんとかバタフライって名前のパッケージが可愛いやつ。
確か表面がぬるぬるしてるやつ。
濡れにくい友達ご用達というイメージのやつ。
箱から手際よくゴムをひとつ取り出し、
はい、付けて
と私に渡してきた。
ゴムを自分で付けるか私に付けさせるかでも個人差があるのが面白い。
こういう細かい違いを見るのが醍醐味だよな。


ゴムを取り出しいざ付けようと思うと、彼のは半勃ちになっていた。
おい、まじ?今からゴムつけて入れるんだよな?
こういう瞬間瞬間で硬度が下がるのがなんとなく没頭できていないせいに感じられて、冷たい汗が滲んだ。
しかし、まあ服を脱ぐとかゴムを取り出すとかそういう体が離れた瞬間に
冷静になって興奮が冷めることはよくあることだろう、あるあるだよな、
そう自分に言い聞かせ、再び手で彼のをしごき、口でもしごき、
なんとか及第点と思えるくらいの硬度になったのでそこでさっとゴムを付けた。
私が一人ひやっとしてゴム片手に柔くなった彼のを慰めている間、
彼は何も言わず、ただ慌てる私を見ていた。


なんだこいつ
これオメーのちんぽだろ?

ラブホ街の夜 ⑤

それにしても彼は私を見ても何も言わない。
質問はしてくるが、私が答えても感想を言っても
「そか」
ちゃんと楽しめているのか不安になる。
そもそも彼の性格からしてとりあえず適当に喋るので、
言葉にしてくれたとして素直に受け取れるかはまた別の話なのだが。
私はおもむろに彼の脚の付け根あたりにあるものを探った。


あっ


まだだめ


彼が私の手をとった。


硬かった。
彼の制止が入ったのでそれ以上は触れなかったが、確かな硬度を感じた。
一応大丈夫なのかも…?
少し安堵しているうちにスカートがまくられタイツをずらされた。
これも脱がしきらず、太ももの中腹あたりを締め付ける。


下着の上からさすられて自分が濡らしてることに気づいた。
彼も気づいたららしく、ふっと笑う。
この小馬鹿にした笑い方だけなんとかならないかなどと思いながら、恥ずかしくなって脚をぎゅっと閉じた。
しかし、抵抗虚しく指が割って入ってくる。
そのうちタイツも下着も脱がされた。
そのあとずり上げられていたスカートに手をかけ、ついに全て取り払われるのかと思いきや
あー、やっぱこれはおいとこ
と言って腰の位置で放置された。
はーい、これは着エロフェチ確定!


脚を広げるように言われ、言うとおりにする。
私の脚に自分の脚を絡めて閉じられないようにしながら探し当てたクリを擦る。
濡れていて滑りが良かったからなのか、これに焦らすというくだりはなく
初っ端からイカせる気しかないという勢いだった。
なるほど、彼女はこのタイプの触り方でイク子だったのね。


私のツボにかすりこそすれ、そもそも脚ピンしなけりゃイケない。
それを伝えたほうが絶対良いんだろうけど開脚を楽しんでるわけだしあれこれ言うのもな〜
とか思ってるうちに結局フリして終わろうって結論になってしまう。
まあでも気持ちよくないわけじゃないし、なんせ絵面が良い。
はなから別にイカなくていいやと相手が思ってくれてるならずっと見てられるわ。
というわけでイったフリをした。


このへんでだいたい前戯は終わりだねって空気になるのが定番なんだが、
じゃあ、四つん這いになって腰上げて
と彼からの指示。
ボキャがすごいなボキャが。
私はこういうボキャもなけりゃ自分で口にする勇気もないから普通に尊敬する。
あれこれ思いつきを提案してくれる男の子大好きだわ。

ラブホ街の夜 ④

首筋に口づけてきたり、耳に息を吹きかけたり…
場数を踏んでないというので完全に舐めていたのだが、
想定していたよりずっとムードを重視した慎重派だ。


服の上から優しく手のひらで胸を包んだ。
柔らかな肉の上をすーっと感触が伝っていく。
しかし先端には触れず、そこに意識を集めるように
肋や周りから先端に向かって指先を這わせる。
なかなか肝心のところには触ってくれない。
じっと指の行く先を見つめながら耐えていると、そのうちに指の腹が一瞬触れた。
待ちわびた快感に身が震える。
焦らしプレイの効果はバツグンだ!


それから服をまくられ、ブラをずらされる。
脱がすことはしないで、胸の上で落ちないようにくるくるっと織り込んだ。
「落ちにくいバスタオルの巻き方」で視たことあるよ()
あとはえっちなビデオで。
これやってくる男の子なかなかスケベだなと思った。
服を脱いでないのに恥ずかしいとこだけ露出してて胸もいっぱい舐められて
どきどきしてしまう。


私が負けじと首筋を舐めたり体に触れるのはそれなりには良いらしく、
彼も時折息を漏らしていた。
私の様子に対してのコメントはないが、
くすぐったくない?
いやじゃない?
というような声をかけてくれる。


期待値が低すぎて何をされてもそれなりに感心してしまう。
めちゃめちゃ優しいエッチするんだなこいつ…。
それでいてキスや愛撫では私の反応を見て焦らしてくる。
彼の本性的な部分がちらっと覗くその瞬間にすごく興奮した。
上手だな〜
なんて私が言うと
誰にでも言ってるんだろ?
と鼻で笑う。
この意地の悪い感じ、嫌いじゃないです。


腕を上げるように促され、そのまま服を脱がされた。
しかし脱がしきらずに両腕に巻き付かせ、そのまま手を頭の後ろで固定された。
肘のあたりを掴まれると腕を下げることもできず思うように抵抗できない。
ひぇ〜小賢しいこと思いつくわね…。
脇を人に見せる行為がこんなに恥ずかしいとは。
私の羞恥を計算の上でのことなのか分からないが、彼は私の二の腕にキスをした。
絵面が……
「エロいな」
私は終始これしか言ってなかった。
その度に彼は
そうか?
と笑う。
いやいやえっろ。


そこからなんだかよく分からないうちに時間をかけて身ぐるみ剥がされ、
気づけば半裸。
私ばっかり脱がされてる、そっちも脱いで!というと、
はぁ、とため息をつき、
すぐに服を脱ぎ捨てた。
ほどほどに引き締まった筋肉質な体。
個人的にはもう一声!というところなのだが、なかなかそそる体ではある。
緩く腕に絡んでいた服を払い落として、その体に触れてみる。
ずっとスーツ越しに眺めていたあの体が今目の前にあって、
こうして自由に触れ、キスまでできることが
嬉しく、不思議に思えたのだった。

ラブホ街の夜 ③

ロビーにはよくある部屋を選ぶタッチパネルの他に、
ドリンクバーと漫画が並んだ棚があった。
なんだここは、遊び場か?
とっとと入ったので外に出ていた看板などにはあまり目を通せなかったが、
ヤリモク以外の集客も狙ってる店舗なんだろうか。
価格も安く設定されており、彼によれば部屋もあまり広くないらしい。
まあ、ベッドがあれば問題ない。


最安の部屋を選んでエレベーターに乗りこんだ。
ドリンクバーに興味があったが、飲み物を買ってきてくれたらしいのでスルーした。


部屋に入ると、小さい机とキングサイズのベッドが部屋の90%を占めてるくらいの広さ。
ここで目を引いたのがベッドの上に当然のように置かれたピンクのブツ。
ローター?
初めて見た。
無料で自由に使って良いというような旨のことが書いてある。
玩具に良い思い出はないのだが、、、
そんなことを思いながらとりあえず隅に避けた。


入ったときには既にテレビがついていた。
家で見るのと変わらない夕方のニュース番組だ。
雰囲気もクソもねぇ。
しかし私がコートを脱ぎ、荷物を置き、ベッドに腰を下ろすという動作をしている間に
彼が部屋の照明を若干暗くした。


一気にそれっぽくなる。


彼は飲み物をどういうわけか大量に買っていて
その中から好きに選んでいいというので、レモン味の缶チューハイを選んだ。
ちびちび飲みながら雑談でも始めて落ち着こうかと考えていたのだが、
彼は思っていたより性急だった。
なんかいつもと違わない?
こんなエロい服装いつもしてるの?
などと聞きながら私の太ももをさらっと撫でる。


こんなエロい服装、というのは
おそらくタイツとミニスカートのことだろう。
タイツは厚手で太めの糸のものだが、レースっぽい網目になっている。
スカートは黒地のタイトなもので、膝上が見えるくらいの長さ。


正直いつもしてるっちゃしてるし、してないっちゃしてない。
そもそもバイト以外で遊んだことなど数えるほどもないのに
彼の言ういつもとはなんなのかと思ったが、
んー、いつもよりはオシャレしてるかもなー
と適当に答えておいた。


彼はすぐに体に手を這わせてきた。
そして顔がそっと近づいてきて軽くキスをした。
彼の手つきは落ち着いていて、優しく、ゆっくり、しかしいやらしく私を撫でた。
すぐに胸などに触れることはせず、
体を確かめるように指先でなぞっていく。
突然モードが切り替わったのが少し面白かったのだが、
流れの作り方として完璧すぎたので感心してしまった。
まだいまいちどうして良いかもわからず、
とりあえずされるがままに快感を受け入れた。


想定してたより全然良い。
むしろ良い。


気になることと言えば彼がときどき笑うことだ。
慈しむように笑うのではなく、明らかにおかしくて笑っているような。
彼は精一杯雰囲気を作ろうと声のトーンを抑え、私を気遣う言葉をかけ、キスをするのだが、
ときたま糸が緩んだようにふふっと笑う。
何がおかしいのー?と聞いても
別に
と答えるだけで、また元のモードに戻る。
沢尻エリカか。


キスで歯が軽く当たっただけで間の悪さに身じろいだり、ため息をついたりするので
こいつはもしかして自分の思う理想の立ち居振る舞いに努めることに全力なだけなのでは?と思えてきた。
まあそれはそれで悪いことではないが、
それに従事しすぎては緊張も解れないだろう。
それとも笑ってるのは私の顔か態度がおかしいからなのか…。


気にしていても仕方ないので、思い切って舌を絡めてみる。
キスも比較的落ち着いていて、荒々しさはない。
焦らず、ねっとり絡まってくる。
ましてやときどき寸止めして焦らしてくる。


こいつ〜

ラブホ街の夜 ②

あまりにもそわそわするので
自分が予定していたより早めに電車に乗った。
指定されたラブホは所謂ラブホ街のど真ん中といった立地だ。
迷わずたどり着ける自信もなかったのでちょうど良かった。(実際迷った)


時間はちょうど日が落ちる頃合いで、
居酒屋のキャッチの声が飛び交い
人がガヤガヤと騒ぎながら道を往来していた。
不慣れな環境が一層不安を駆り立て、自然と早歩きになった。
そこを抜けると道路を挟んでラブホ街。
急に人の数が減り、空気が閑散とした。


ホテルの前にはなぜだか分からないが何台も車が駐車してあって居心地が悪い。
どうやら私のほうが先に到着したらしく、彼の姿は見当たらない。
ホテルから中年男性と若い女性が腕を組んで出てくるのを横目に
今更ながら現地集合というのは早くついた方にとって酷だと思った。
ホテルの前に一人で立っているのも不自然なので、少し通り過ぎて距離を取りながら
彼に連絡した。


さほど待たないうちに彼がゆったりと歩いてきた。
いつもバイト先で見かけるときとは違う服装なので一瞬誰かわからなかった。
スーツのほうが断然かっこいいな()
いつもと変わらないすかした顔で、特別な言葉を交わすこともなくホテルに入る。


しかし運悪く清掃が始まったところだそうで、姉妹店に誘導されてしまった。
すぐそばにあるということでそちらに移動したが、なんと満室。
平日の夕方からみんな盛んスね…(ブーメラン)
もう一度最初のホテルに戻り、清掃が終わるのを待とうと思ったが、驚くことに満室になっていた。
え、そんなことある?


仕方なくラブホ街を放浪することに。
普段ここに来ることはほぼないので全く当てがない。
彼もそうだろうと思ったが、携帯で検索する素振りもなく歩き出した。
どうしようかな、などと言いながらどこかを目指して進んでいるようだった。


程なくして彼の頭あったらしいホテルに着いた。
聞けば元カノと来たことがあるらしい。
そこに私を連れてくるメンタルの強さはさすがである。