せいせいかつ日記

大きな声では言えないような話をします。

ラブホ街の夜 ②

あまりにもそわそわするので
自分が予定していたより早めに電車に乗った。
指定されたラブホは所謂ラブホ街のど真ん中といった立地だ。
迷わずたどり着ける自信もなかったのでちょうど良かった。(実際迷った)


時間はちょうど日が落ちる頃合いで、
居酒屋のキャッチの声が飛び交い
人がガヤガヤと騒ぎながら道を往来していた。
不慣れな環境が一層不安を駆り立て、自然と早歩きになった。
そこを抜けると道路を挟んでラブホ街。
急に人の数が減り、空気が閑散とした。


ホテルの前にはなぜだか分からないが何台も車が駐車してあって居心地が悪い。
どうやら私のほうが先に到着したらしく、彼の姿は見当たらない。
ホテルから中年男性と若い女性が腕を組んで出てくるのを横目に
今更ながら現地集合というのは早くついた方にとって酷だと思った。
ホテルの前に一人で立っているのも不自然なので、少し通り過ぎて距離を取りながら
彼に連絡した。


さほど待たないうちに彼がゆったりと歩いてきた。
いつもバイト先で見かけるときとは違う服装なので一瞬誰かわからなかった。
スーツのほうが断然かっこいいな()
いつもと変わらないすかした顔で、特別な言葉を交わすこともなくホテルに入る。


しかし運悪く清掃が始まったところだそうで、姉妹店に誘導されてしまった。
すぐそばにあるということでそちらに移動したが、なんと満室。
平日の夕方からみんな盛んスね…(ブーメラン)
もう一度最初のホテルに戻り、清掃が終わるのを待とうと思ったが、驚くことに満室になっていた。
え、そんなことある?


仕方なくラブホ街を放浪することに。
普段ここに来ることはほぼないので全く当てがない。
彼もそうだろうと思ったが、携帯で検索する素振りもなく歩き出した。
どうしようかな、などと言いながらどこかを目指して進んでいるようだった。


程なくして彼の頭あったらしいホテルに着いた。
聞けば元カノと来たことがあるらしい。
そこに私を連れてくるメンタルの強さはさすがである。

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