せいせいかつ日記

大きな声では言えないような話をします。

再会 完結

倒れこむように彼に抱きつき、ゆっくりと腰を上げた。
出したものがたっぷり溜まっているのが見てとれる。
イった後すぐ触ると嫌がられるものだと思っていたが、彼はそんなことはないらしい。
べたべたになった股間周りをティッシュでふき取るのをじっと見ているだけ。
柔らかくなった彼のにいたずらに触れても特に反応はなかった。


ちゃんと気持ちよくなってくれたのだろうか。
すごく楽しかったという気持ちと、とにかくイかせられてよかったという思いが同時に押し寄せてきた。
ちょっとだけ…疲れた。
彼は何か感想を言うこともないし、何かしてくることもない。
彼にも少しだけ疲労が見えた。
セックスって疲れるよね分かる。
体力的にはまだやれそうだし、彼は毎回2発はやるみたいなことを言っていたが連発できるわけではないだろう。


さすがに休憩挟まないとたたないよね?と聞くと
そうですね、と言ってぼーっとしていた。
このとき時刻は4時頃。
どれほど休憩をすればいいのかも分からないし、どうやって過ごしていたらいいのかも分からない。
彼から抱きしめてきたりするわけでもないので、そもそももう一度したいと思っているのかも分からない。


今日は寝て、起きてからもっかいするか?と提案すると、
そうですね、と言った。
彼も眠いようだ。布団に埋まっている。
一緒にどうかという含みもありながら、シャワー浴びて寝ようかなと言ってみたが
どうぞ、とだけ言われたので一人でさっと汗を流した。


戻ったときには彼は眠っているように見えた。
だが私がもぞもぞと布団に入ると、ほんの少しだけすり寄ってきた(ように感じた)。
寝てるのか、起きてるのか。
くっつきたいのか、ただの寝相なのか。
分からない不器用さがいじらしく愛おしくもあり、
彼の甘えでもあると思った。



昼前あたりに何度か目覚めたが、二度寝を繰り返した。
彼も同じく起きているような気配があってもすぐにまた目を閉じた。
というか途中から普通に起きていたように見えた。
しかしどちらも覚醒していないのかだらだら眠る時間が続いた。


彼が何かしてくることはない。
私が思い切って彼にすり寄ると彼もほんの少し体を傾けてきた。
しかしそれ以上はない。
したいという気持ちがあるんだろうか?
今思うと彼も同じように考え、そして消極的な彼はただ様子をうかがって待つことしかできなかったのだろうと思う。
私もそれしかできなかった。
言葉も行動もない相手の気持ちは読めない。
自信もなくなる。
私が今何かすれば乗ってきてくれるのだろうか?


そんなことを考えて時間を浪費していると、
そろそろ帰らないと…猫に餌をやらないといけないので…
と彼がおもむろに口を開いた。
なるほど、猫に餌ね…
だからどうという含みも受け取れず、単純に焦っているように見えたので
じゃあすぐ帰らないとね、
と言って私は起き上がった。
すると彼も何か言うわけでもなく布団から這い出て、服を着始めた。


結局したかったのかなんだったのか…。
昨日したの、あんまり良くなかったのかなぁ。
なんとなくネガティブになりつつ私も服を着た。


そこからてきぱきと帰り支度を済ませ、コートを羽織って荷物を持った。
さっきまで手を出しあぐねていたのにここに来て急に惜しくなってきた。
念願の彼との一夜。
いろいろ思うことはあったけど、すごく楽しかったな。
私は。


玄関に向かう彼を後ろから思い切って抱きしめた。
うわっ、と彼は間抜けな声を出す。
強引に押し切っちゃってごめんね、めっちゃ良かった、
と思ったままを伝えると
いや、俺が押させたとこもあるんで…
と言った。
逃げ癖があって、責任を負いたがらない彼がこういう言葉で返してきたのはかなり印象的だった。


それからホテルを出て、帰宅した。
私はこういうとき帰ったらすぐにお礼の連絡をするタイプなのだが、
彼からは丸1日くらい返信がなかった。
あとで聞くと猫に餌をやってから泥のように眠っていたらしい。
なんかラブホでの眠りって浅いよね、分かる。
上手くやれなかったんじゃないかと若干落ち込んでいたのだが、
そのあとやりとりをしているとかなり満足してくれていたようだった。
本当はもっとしたかったらしい。
だとしたら言葉足らずすぎるんですよ。
LINEだと饒舌なのに、これだからネット弁慶は…。
なんにしろそれを聞けて私も満足したし、彼の不器用さは私にとっては可愛さでもある。
また近いうちにする約束をした。



高校の後輩と再会して関係が変わった話。

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