せいせいかつ日記

大きな声では言えないような話をします。

再会 ③

帰省するときには必ず連絡するようにと強く念を押した。
そして冬、彼は帰ってきた。


年末。
この日はいろいろありすぎたのでまたいつか書きたいと思うが
彼とはなんにもなかった。
何もしなかったというほうが正しいかもしれない。


前回と同じような時刻に、同じ店に集合し、
多分似たような話をした。
それなりに、というか普通に楽しかった。
下世話な話もしたし、やはりまた私が彼を食いたいとかいう話にもなった。
そして今回に至って彼はどこか乗り気だった。
核心はついてこないし、あくまで冗談の延長、私の戯言にそれらしい相槌を打ってるだけなんだけど。
前よりその気になっている…ような気がした。


こうなってくると後は押すだけだが、
何故何もしなかったかというと、私が生理の初日だったからだ。
必ずするという約束なのであればそれを伝えて日をずらしてもよかったが、
そういう前提はない。
私たちは夜ご飯を食べに来ただけ。
そういうことをするかどうかはルート選択次第だ。


踏み切らなかった1番の理由はそういう事情だ。
踏み切れなったが正しい。
そしてもう一つ、やはり彼女の存在は気がかりだった。
彼女持ちにいい思い出もないし、私のほうから強引にいくのは控えようと考えていた。
向こうに押されたらどうしようもないけどね!()
とはいえ状況が変わってそれ以前の問題になってしまった。


生理だから~なんていうことをあえて言いたくなかったので、
そうならないようにいろいろぼやかして過ごした。
まぁ彼の性格から言って私の誘導なくして自ら仕掛けてくることなんてまずない。
私が食いたいだけだしね!


そうしているうちにやはり閉店の時刻になった。
さすがにこの真冬の極寒の中で朝まで野外にいるわけにもいかない。
というかそういう空気になる前に帰る必要があった。


会計を済ませ店を出ると、小雨が降っていた。
降ってきたし帰るしかないなーと私が言うと、
彼は何か言いたげな顔をしながらも何も言わず自分の自転車に跨った。
店から家はすぐだ。
彼の家がある通りまで向かう途中、
この程度の雨なら気にならないですけどね、
みたいなことを呟いた。
傘がないとどうにこうにもいかないくらいには降ってる。
雨が大丈夫だからどうなのかという話もあるが、言いたいことはそういうことじゃないよな。


名残惜しそう。
何か、今日は何かあると思っていたのだろう。
いや~
悪いことしたとは思うけど…


彼女もいるし!ね!またね!
と分かれ道で言い放ち、半ば逃げ出すくらいの勢いで帰った。
彼の、え~という情けない声を背中で聞きながら。


家に着くと、律儀な後輩からのLINE通知が目に入った。
開くと今日のお礼と、
実はゴム持ってきてたとかいうカミングアウト。
それは…絶対今言うことじゃねぇだろ!
でも言われたら逃げきれてなかったな。
いじらしい。可愛い。
LINEじゃないと思ったことも言葉にできない。
私が押し切らないと動けない。



次は絶対お持ち帰りすると決めた。

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