せいせいかつ日記

大きな声では言えないような話をします。

ラブホ街の夜 ①

バイト先の同僚からLINEが来た。
「水曜の夜あいてる?」


何でとか何がとか聞かなくてもわかる。
これはセックスの誘いだ。
わかってはいたが、一応聞いておく。


「急にどうしたん?」
「欲が湧いたから、笑」


はい、笑


セフレというわけでもないのに何故そう思うかと説明すれば長くなるが、
私が前々から打っていた布石が回収されたとでも言おうか。


関係を持ったことは一度もなかったが、
私は比較的後腐れなく抵抗なくお前とならやれる〜
というようなことをいつだったか口走って
それ以来、欲求が抑えられないような夜には私のことが浮かんだらしい。
都合のつく女第一位だ。


それから何度か誘われていたのだが、
いろいろ考えた結果断り続けていた。
(予定が合わないというようなことを言って。)


何故今まで遠慮させていただいていたか話すと長くなるので割愛しておく。



ともあれ、私が了承したので
夜の予定が決定した。


約束した日から当日までにバイトで顔を合わせることもあったが、
特にいつもと違う素振りも見せず
話題もいつも通りだった。
普段からLINEでやり取りをよくするわけでもないのがそれはこの期間も例外ではなく
本当にいつも通りの距離感で前日を迎えた。
夜、集合場所と時間の話が出たとき
急に現実味を帯び始めたような気がした。


時間は私に合わせてくれた。
その後、本人が目星をつけたのであろうラブホの画像が当然のように送られてきて、
「ここの前にこの時間で」
と言われた。
最寄りも同じなのに現地集合。
警戒態勢は万全だな〜。


期待をしても自分が傷つくだろうし、
変に気負う相手でもないと軽く考えていたが
いざ目前にすればやはり緊張せずにはいられなかった。


前日の夜でこのザマなのだから
当日はもっとそわそわしているわけで。
食欲がなくなるなんてことはなかったが、
一日どこか上の空だった。
相手がどう出るか以前に、
自分を見て引いたりはしないだろうか、
いざ始まったとき相手がずっと無反応だったらどうしよう、
そういう、今更考えてもどうにもならねーよということばかり頭に浮かんで
じわじわ怖くなってきた。
まあここまでの一連の流れがいかにも私そのものである。

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