せいせいかつ日記

大きな声では言えないような話をします。

ラブホ街の夜 ⑦

ゴムをつけた途端に彼が体を起こして私に覆いかぶさった。
おお、ついに来るのか…。
彼は入れる場所にそっと触れて確認してから、ゆっくりと侵入してきた。
時間をかけて解されているので全く痛みはない。
前の彼女は入れるときに痛がって上手くいかなかったと話していたが、私はそういう心配はなさそうだ。
むしろするりと受け入れ、あっけなく繋がってしまった。
こいつとセックスする日が来るとは…。


彼はすぐには動かず、しばらくは中の様子を伺うように腰をくねらせるだけだった。
さっき入れる前にふにゃっとしてたので
中折するんじゃないかと少し心配していたのだが、
心なしか中に質量が集まるのを感じた気がした。
彼はゆるゆると腰を揺すり始め、それから徐々に速度を上げた。


全然普通に動けてる。
本人がセックスをあまり楽しめていないようなことばかり言っていたのでコッチの運動がド下手なのかと思っていたが、
歴代の童貞や騎乗位狂いより全然動けてる。
これ普通に良いかも…
彼が私を見下ろしながら
気持ちいい?
と聞いてくる。
うわ、なんかエロいな。
気持ちいいよ、というと
良かった、
と言ってそのまま動きを続けた。
途中で彼はおもむろに私の脚を持って、自分の肩に乗せた。
48手にありそうなやつ!
だいたいこれするとグラグラするからみんな挫折するけど、彼は割と安定していた。
快感に集中するくらいの余裕はある。
私が
そこ、めっちゃ良い、
と言うと
ここ?
と聞き返してそこを重点的に突いた。
一連の流れがエロいよね、もう。
ドキッとしてしまったわ。


そのあと片脚だけ上げる体位なんかもやったがこれはあんまりよく分からなかった。
こういうのって私の運動神経もあるんだろうな、みたいなことをぼんやり思った。
そのあと彼に指示されて上に跨った。
私が自分で彼のを挿入するのをじっと見つめ、全部入れ終わると腰に巻き付いたスカートを捲り上げて結合部を露出させた。
この絵面なかなかやばい、
と言う発言には私も同意だ。
なんだかんだ楽しくセックスできてるのがほんとに不思議。
疲れたから次は私が動く番ということなのかと思っていたが、彼はそんなつもりはなかったようで、
すぐに腰を上下し、下から振動を与えてきた。
私が動くのは良いのだが、騎乗位の試されてる空気感にプレッシャーを感じるタイプなので、
それがないだけですごく気が楽だ。
こちらが勝手に動くのも悪くないらしく、
何度か息を漏らしていた。
しばらく続けたあと、彼が
そろそろいきそう
と言って上体を起こした。
繋がったまま私を上に乗せ、抱きしめて呼吸を整える。
汗だくになっちゃったね、
と私が言うと
当たり前、笑
と笑っていた。
それから耳元で
どの体位が一番良かった?
と聞いてきた。
ラストスパートはどれにするかという質問だろう。
○○が気持ち良かったやつでいいよ、
と答えると、
俺は別になんでもいいよ、
お前さえ気持ちよければそれで今日は良い、
と返された。
ちゃんと気持ちよくなれてるんだろうか…?
もしかしたら自分自身はそんなに良くないのかもしれない。
セックスで安定して腰を動かせるようになることと、自分が気持ちよくなれるように動けることはまた違うと思うし。
それか私との相性が良くなかったとか…?
たった一言で一瞬にしてもやっとしたが、
とりあえず正常位がしたいと答えた。


後半戦に入ってからはあっという間だった。
彼の顔を見ていると余裕がなさそうで、
いつもスカした態度ばかりとってるこいつもこんな顔するんだなーみたいなことを思った。
彼が抱きついてきて、滴る汗が私の体を伝った。
耳元で荒い息遣いを感じていると彼は達した。
声もなく、前置きもなかったが、
いく瞬間にぱっと離れ外で出した。


終わったあとしばらく呆然と座っている彼に
いっぱい出たな、
と話しかけると
ああ、
と、その気があるのかないのか分からないような返事をした。
彼の自己ベストはこんなものじゃないのかもな。


ここで恐ろしいのは賢者タイムに入ってどういう扱いをされるのかということだったが、
彼はというと
さすがに疲れたな、
としばし停止したあと私の飲みさしの缶チューハイを飲み、雑談をし始めた。
突き放されるということもなければ甘いピロートークがあるわけでもないという感じ。
可もなく不可もなく。
部屋は真っ暗で時間の感覚もなくなっていたが、まだ入ってから1時間ほどしか経っていない。
もう夜中のような気がしたと私が言うと、
テレビで夕方のニュースやってたから俺は時間は分かってた、
と言った。
そういや付けっぱだったけどそんなしっかり気にしてたなら消せよな。


めっちゃ気持ちよかったし、めっちゃ上手いね、
と私が感想を言うと
誰にでも言ってんだろ?
とまた笑われた。
人間不信なのかこいつは。
思ってなかったらさすがに言わないわ、お世辞言うのもめんどくさいし、
と補足すると
満更でもなさそうな声で
ふーん、と言った。
まあ、お世辞は必要なら全然言うんだけど。
今回は普通に良かったと思った。
期待値が低すぎたかもしれない。


彼がテレビの話を始めたので、今日はこれで終わりなのかな?と思っていたのだが
しばらくするとまた私の体をいじり始めた。
素直に快感に身をくねらせていると、
彼が何も言わず机から見覚えのあるものを手に取った。


でた


ピンクローター。

×

非ログインユーザーとして返信する